dissimilis

Prosopocoilus dissimilis GROUP ーそれぞれの島の特徴

各島の特徴がよく出ていると思われる個体,または(作成者の嗜好で)強く湾曲が顕れた顎を備え,かつ細身筐体な個体を例として掲載しました


データは むし社刊 ビークワ35号 ”日本のノコギリクワガタ大特集”(土屋利行氏)から

奄美大島wild
奄美大島笠利町産 天然個体 72mm
2024年夏採集  

体長 オス 26.3~79.5mm, メス 28.0~39.3mm, 飼育ギネス82.1mm
奄美大島ではもっとも普通に見られるクワガタムシで,最盛期には大歯型もよくみられる.体は大きく70mmを超える個体も珍しくない
体は黒色の個体が多く,やや赤みを帯びた個体も2~3%程度出現する
大歯型の大顎は中央やや基部寄りで強く湾曲し,先端に向かってカーブする
第一内歯と第二内歯の間隔は全亜種中もっとも接近する
第二内歯と第三内歯の間の小歯は0〜1本で,第三内歯と融合する場合も多い
頭楯は二又状で頭楯手前の突起を欠く


口之島CBF1
口之島横岳産 CBF1 66mm
2022年孵化 2023年夏羽化個体 

体長 オス27.5~72.3mm, メス21.0~37.1mm
口之島がトカラノコギリクワガタの基産地であり,亜種名のelegansは「優美な」という意味
体はやや細い 頭部・前胸は暗赤褐色 上翅はやや暗めの赤褐色が基本色で,少ないながらも明るい赤褐色の個体も見られる.黒褐色型は非常に珍しく出現率は全体の1%程度
大顎は第一内歯付近で強く湾曲し,よく発達して伸びる 中之島産に比べて大顎はやや太めの個体がよく見られる
第一内歯と第二内歯の間隔は近い
第二内歯と第三内歯の間の小歯が出現する個体はオス全体の1割程度


中之島CBF5
中之島御岳産 CBF5 69mm
2022年夏孵化 2023年秋羽化個体 

体長オス27.6~74.2mm, メス21.8~38.1mm, 飼育ギネス76.6mm
トカラノコギリクワガタの中で最も大型になる産地であり,色彩的にも明るく派手なため人気がある
頭部・前胸は赤褐色
上翅は黄褐色から赤褐色で,黒褐色型も10%程度見られる
大顎はよく発達し 微差ながら口之島産に比べてやや細い印象である
第一内歯と第二内歯の間隔は近い
第二内歯と第三内歯の間の小歯が出現する個体はオス全体の1割程度


悪石島CBF3
悪石島産 CBF3 67mm
2014年孵化 2015年初夏羽化個体 

体長オス24.6~69.4mm, メス20.2~36.1mm
体は他の島のトカラノコギリに比べて太い
頭部・前胸は暗赤褐色
上翅は明るい赤褐色〜橙色の個体が多く,平均して中之島産よりやや色が濃い
黒褐色型の出現率は10%程度で,中之島産に比べて上翅はより暗い
大顎はやや短く太め,湾曲は弱い
第一内歯と第二内歯の間隔はやや離れる
第二内歯と第三内歯の間の小歯は0〜1本で,消失することが多い